彼は船乗りさんで、次の航海までのヤンゴン滞在中は、タクシーで小銭稼ぎをしているらしい。
ミャンマーは親日国、彼も親日家だった。
「日本人は嘘をつかない、
日本人はモノを盗まない、
日本人はお互いを信頼し合う、
とても素晴らしい!
私は日本と日本人が大好きです」
「あなたが日本人に好意を持ってくださり光栄です。
日本人として、大変嬉しく思います。
残念ながら、日本人にも悪い人はいますよ」
「でも、それは極小数だ、
大概の日本人は素晴らしい!」
ここにいる日本人はポンコツですが(苦笑)、
自分の国が誉められるのはちょっと誇らしい。
「私は日本の教育制度が優れていると思います、
出来れば日本の教育を受けたかった、
ミャンマーの教育はだめだ。
日本では、精神や人道について教えるでしょう?
協力し助け合うことも学校で学ぶでしょう?」
そうか、ミャンマー人はそう思うのか。
他にも、政府の話やら中国からのビッグマネー流入による危機感やら、
お祖父さまが日本軍の捕虜だった話、ご家族・お仕事など、道中いろいろ聞かせていただいた。
民主化されても、庶民になんらプラス要素はないとも言っていた。
(あくまで彼個人の意見です)
タクシーを降り、用意していた9000チャット(約900円)を渡すと、彼はお札を確認せずに、胸ポケットに入れた。
「合っているかどうか、チェックしてください」
「大丈夫、大丈夫、問題ない」
心から日本人を信用している、それが伝わってきた。
どうか、悪い日本人が彼に悲しい思いをさせませんように。
そして、自分がミャンマーで、たくさんの方々のやさしさと親切に助けられたことを、彼に伝えなかったことを悔やんだ。
今度ミャンマー人と話す機会があったら、ミャンマーをいっぱい誉めまくろう(笑)
思いの外、早く着いてしまった空港で、高〜いアイスカフェラテ(約520円)を飲んだ。
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ああ、あのとき、こんな風に思っていたのに。
すっかりうっかり余裕のなかった私は、大好きなミャンマーを誉めまくるどころが、
エアコンから大雨が降ったとか、
物価は上がりまくりで郵便料金がバカ高いとか、
郵便局のおばちゃんが横柄だとか、
そんな小さな不満を書き連ねアウトプットすることで感情をコントロールし、自分を保っていたのだ。
いいことだってたくさんあった。
いいひとだってたくさんいた。
かわいい雑貨ちゃんだってそれなりに買い付けた。
だのに。
また、ミャンマーには行かなくちゃって思う。
余裕を持って、大好きな国を誉めまくれる私で(笑)
成長しなくちゃね〜。